「セラミド」は化粧品の成分として、よく知られていますが、肌の保湿成分で、体内で作られる成分です。今回はこの「セラミド」と健康の関係についてです。
皮膚の保湿成分セラミドの働き
皮膚に存在するセラミドは、皮膚の角質細胞間にあって、ラメラ構造(水の層と脂の層が交互に層状に並んでいる構造)で水分を保水しています。
セラミドには六つのタイプがありますが、そのなかで、セラミド2と呼ばれるタイプは、水分を保持する役割で、セラミド1が、皮膚の角質層を通してものの出入りを抑えるバリアの働きががあります。
そのセラミドが減少すると、角質細胞が剥がれ落ち、水分が蒸発して皮膚が乾燥したり、刺激が皮膚に入り易くなり敏感肌になります。
セラミドの体内製造
セラミドは、必要に応じて、体内で生成されます。
セラミドは、皮膚の細胞間で、紫外線などのストレスから肌を守り水分の蒸発を防ぎ必要に応じて「熱ショックたん白」という物質が働き、古くなったセラミドを回収分解し、フレッシュなセラミドを生成します。
この「熱ショックたん白」は変わった名前をしていますが、もともと、生物に高熱のストレスを与えたところ、その高熱環境に対し、自分の体を防御する働きのあるストレス反応物質の存在として発見されたからです。
この「熱ショックたん白」がセラミドを作り、細胞膜を守り健康な肌を維持しています。
そしてそのセラミドの主成分は「油脂」です。例えば、この「油脂」が酸化しやすい油を日頃摂取していると、当然肌の状態にも影響します。
つまり、いかに良質の「油」を摂るかが、美肌、健康の決め手になります。
セラミドと脳の老化の関係。
実は、このセラミドは、肌だけでなく今、アルツハイマー認知症患者の異常な増加が社会問題になっている様に脳の老化にも大きな関係があります。
アルツハイマー認知症の原因究明は現在はかなり研究が進んでいます。
アルツハイマー認知症の原因は、簡単に言うと、脳の血管にアミロイドβやタウたん白が沈着していき脳神経の伝達回路に目詰まりを起こし、機能が死んでいくのが原因です。
この神経細胞の目詰まりを防ぎ常にリニューアルしてるリソソームという再生機関があります。
いわば、細胞の再生工場の働きのリソソームは古くなった細胞をアミノ酸に分解する必要から、胃のなかと同様にPH4.5もの強酸が成分で、このリソソームの細胞膜を保護して強酸が外に漏れ出ない様にしているのが「セラミド」です。
このセラミドの製造にも「熱ショックたん白」が働いています。
先ほどの、アミロイドβやタウたん白などに、血管内のコレステロールなどの原因で沈着し、「熱ショックたん白」の働きが酸素やブドウ糖の不足で悪くなり「セラミド」の製造が十分できなくなるとリソソームの細胞膜が機能しなくなり、強酸の毒素「カテプシン」が細胞に漏れ出しリソソームという再生工場を破壊していきます。
ですから、いま社会問題にもなっている認知症がいかに恐ろしく、治療の難しい病気かがわかります。
肌の状態は健康のバロメーター
そして、この脳の老化にも、「セラミド」がリソソームの細胞膜をまもる大切な働きがあります。
今や認知症患者は500万人を超えると言われ、本人はいうまでもなく、介護をする家族も言葉にならない困難な状況になってます。
そんな中で女性の場合、自分の肌の状態は大抵の人なら関心がありケアをしています。
そして例えば、何らかの原因で血流が悪くなり、セラミドが十分でないと、肌細胞は「乾燥」するのでわかります。
そのとき、脳細胞は、セラミド不足で、脳神経細動の再生不良が起きている可能性もあります。
つまり「肌荒れ」は単なる肌荒れではないという事です。そして、もうひとつ、セラミドは油脂からつくられます。悪い油脂を摂取すると、「肌荒れ」「脳の老化」など「体の老化」を招くことになります。
まとめ
今回は「美肌成分「セラミド」の効果。」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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